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さまざまな
困難を乗り越えて、
あなたがいるその場所に。
有人環境で使用できる紫外線技術の開発は、決して簡単なものではありませんでした。
研究によって安全性が認められた後も、開発の現場にはさまざまな困難が訪れました。
ウシオはその一つ一つに向き合い、そして乗り越え、ようやくCare222®の光はあなたがいるその場所に
届くことになりました。
―どうすれば、光でもっと便利・快適な暮らしをつくれるのだろうー。ウシオは「光」のイノベーションカンパニーとして、「光」の可能性を追求しつづけ、紫外線を人工的に生み出せるエキシマランプを、世界で初めて製品化しました。
この光は、液晶ディスプレイや半導体の製造プロセスにイノベーションを起こしました。
世界初の誘電体バリア放電エキシマランプ
このエキシマランプで安心・安全な暮らしを提供できないだろうか。エキシマランプのさらなる可能性の探求が始まりました。
その探求の中で、波長300〜310nmの紫外線が、乾癬やアトピー性皮膚炎の治療に高い効果を発揮することがわかりました。そこでウシオは、世界で初めてのエキシマフィルターを搭載した紫外線皮膚治療器を開発しました。
世界初、エキシマフィルター搭載の紫外線皮膚治療器
さらにウシオの光への探求は続きます。
2013年に発表された一本の論文がウシオの研究を大きく進展させます。コロンビア大学のブレナー教授が、波長222nmのエキシマランプと光学フィルターを組み合わせて、人の体に有害な波⻑を除去しながらウイルス・細菌を不活化することに成功。
この論文を見たウシオの一人の研究者が、より詳しくその技術を知るために、ブレナー教授のもとへ。2015年、ウシオ電機とコロンビア大学は、この新しい紫外線技術について独占ライセンス契約を結びました。
いくつかの大学病院にこの技術の説明をした時、褥瘡や糖尿性下肢潰瘍などの消毒治療が院内で強く求められていることを知りました。
「苦しんでいる患者さんをこの光で助けたい」。そんな思いから、研究開発が進みました。
独占ライセンスのもと、この技術の安全性をさらに高めそれを確かなものにするために、実証実験もスタートしました。
神戸大学との実験では、人の皮膚への直接照射で障害を与えずに常在菌を殺菌することに成功。さらに島根大学との実験で、眼への急性障害が発生しないことも確認されました。
目や皮膚に対する実証試験を実施
開発を進める中で突然、新型コロナウイルスの感染拡大が世界を襲いました。「Care222®は間違いなく、全世界で待ち望まれている技術だ」。自らの使命をはっきりと認識したウシオは、開発のスピードを上げました。
2020年9月には広島大学と共同で、新型コロナウイルスの不活化効果を確認しました。
Care222®の技術はこれで完成したわけではありません。技術と効果の裏づけを確かなものにするために、まだまだ取り組むべきことがあります。紫外線除菌の効果と人体への影響について、より詳しいデータを取り続け、より高い性能と安全性を追求しつづけています。より多くの場所で活用するために、さまざまなパートナー様と開発に取り組んでいます。
感染症のない新しい世界に向かって、私たちの挑戦はまだ始まったばかりです。