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人体の眼に対する波長222nm紫外線の
長期的安全性(1年間)を確認

共同研究先: 島根大学医学部眼科学講座 谷戸 正樹教授らの研究グループ

試験結果

Care222®の紫外線(波長222nm)による人体の眼に対する長期安全性を確認することを目的に、波長222nm紫外線を1年間継続して照射した結果、眼科的な有害事象※1や視力、屈折異常※2、角膜内皮細胞密度の変化※3は確認されませんでした。

※1 角膜びらん、結膜充血、眼瞼紅斑がんけんこうはんなどの急性有害事象や、翼状片よくじょうへん、白内障、眼瞼腫瘍がんけんしゅようなどの慢性有害事象
※2 近視、遠視、乱視等
※3 角膜内皮細胞が減ってしまうと角膜が白く濁ってしまい視力が低下する

まぶたの変化、結膜充血、翼状片よくじょうへん、白内障

    

 外観上および結膜充血点数に変化は確認されませんでした。

※1 点数に関して、0は症状なし、1はいくつかの血管の拡張、2は多くの血管の拡張、3は個々の血管を見分けることができない

■角膜びらん

 

 角膜びらん面積、角膜びらん密度の点数に大きな変化は確認されませんでした。

 

※1 面積点数については、点状の染色がない場合を0、角膜の1/3未満を占める場合を1、角膜の1/3~2/3を占める場合を2、角膜の2/3以上を占める場合を3と
  し、評価
※2 密度点数については、点状の染色がない場合を0、密度がまばらである場合を1、密度が中程度である場合を2、密度が高く病変が重なっている場合を3 とし、
  評価

 

■その他

 

 最高矯正視力や屈折異常などの大きな変化や、自覚症状、副作用も確認されませんでした。

※1 -0.08は一般的な視力検査数値(小数視力)で1.2に相当
※2 -6.00~-3.25は中度近視
※3 健常者(成人)の正常値は2500~3000

・論文に掲載されている表の一部を抜粋

出典:Kazunobu Sugihara, et al. One-year Ocular Safety Observation of Workers and Estimations of Microorganism Inactivation Efficacy in the Room Irradiated with 222-nm Far Ultraviolet-C Lamps. Photochemistry and Photobiology, (2023). https://doi.org/10.1111/php.13710

試験内容

眼科外来室の細隙灯さいげきとうを設置している机上を狙って波長222nm紫外線の光源を2灯設置し、1日8時間の照射を行った。
細隙灯を挟んで眼科医と患者が向き合ったときに眼科医の眼の位置で照度が0.002mW/cm2あり、1日の紫外線照射量が計算上6.4mJ/cm2となった。週平均6.7時間滞在した6人の男性眼科医の眼と瞼に関して、臨床試験開始前、1日後、1か月後、3か月後、6か月後、12か月後にて眼科医が観察を行いました(12か月後の観察は5人)。

・試験環境

部屋サイズ:5.8m(L)×3m(W)×2.6m(H)

試験機関

共同研究先:

島根大学医学部眼科学講座 谷戸 正樹教授らの研究グループ

用語解説

■Care222®の眼への安全性

Care222®で使用されている波長222nmの紫外線は、目の角膜で吸収されるため、白内障などの障害を引き起こしません。

■角膜びらん

角膜の表面が浅く傷ついた状態。

眼瞼紅斑がんけんこうはん

まぶたに赤い発疹が発生している状態。

翼状片よくじょうへん

結膜(目の白い部分)の下にある細胞が異常増殖し、角膜(目の黒い部分)に入り込んでいる病気。

■白内障

水晶体が白く濁り視力が低下する病気。

■角膜内皮細胞密度の変化

角膜内皮細胞が減ってしまうと角膜が白く濁ってしまい視力が低下する。

出典(写真):島根大学医学部眼科学講座